誓い
僕は自分に誓った。
命をかければいい。
全てを捨てればいい。
どんな最悪な状況でも戦争じゃないんだから
命や金や時間やすべてのものをかければ
考えられる総てを上手くやれば必ず大丈夫だ。
最後の手段だ。
理想を持って計画なんか作るからダメなんだ。
手段はもう選ばない。
彼女が横にいればそれだけでいい
その為には全てを投げすてる
そこまでして手に入らないものなんてある筈がない。
全ての可能性を考え
賭ければ必ず当てる事は出来る。
ルーレットで全てのナンバーにBETすれば絶対当たる。
競馬でも全てのレースの組み合わせを買えば必ず当てる事ができる。
僕は賭け事はやらないが確率の事を言うとこういう事なんだ。
この世に100%は存在する。
絶対は必ずあるし、絶対とは自分で創り出すものなんだ。
僕は今までの考えていた事や何故こんな行動をとったか記録し
彼女の事をどれほど考えていたか日記を書いていこうと思った。
まるで呪いのラブレターのようだった。
そして僕はクリスマスまでの一ヶ月間まで
日記を綴る事と炉の薄茶と濃茶点前が出来る事を目標とした。
彼女が荷物を持っていってしまう数日前に
サンタのモチーフの重し(ウェイトペーパー)を持ってきていた。
僕はそれが凄く気に入っていたから
何とか家に戻してくれないか懇願した。
あわよくば会って話してよりを戻せないかという目論みだった。
彼女はとても嫌がった。
そんな予感を伝わっていたから。
ならば僕に直接会わない
僕の仕事中の昼間に置きにきてくれればいい。
会う事すらはばかられ絶望の淵とはこういうものなのだと悟った。
しかし内心、多少の期待も残しておいた。
期待は簡単に脆く崩れた。
そのくらいの期待はもっと前から徐々に崩されていたけど、もう崩壊した。
彼女の冷徹な態度に慣れようと毎回思うが、もしかしたら連絡は来ていないかという期待度は日々上がり続ける焦るばかりだった。
クリスマスイブまで
僕は毎日一人で点前の練習する事
今まで語らなかった想いを日記とともに
告白すると決めたんだ。
今まで僕は彼女の意思は無視してレールを作り
滑車をはめ込んで脱線しないよう時にひっぱり、時に押して転がした。
そんな今までの考えは全て良くなる事を思ってこそ
そんな考えを知れば必ず彼女は
感謝し尊敬し歓喜するだろう。
きっと戻ってくるだろう。
そして一緒にまたお茶の稽古にもいけるだろう。
その時の表情を想像する事だけを励みに一ヶ月生きよう。