ウラメにでた日々

4月から短大生

日々のどうしようもないセイショウドウをつらつらと精神安定の為に小説も書いとるわ

拾ったサイコロ

昨日サイコロを拾った。

 

閉店30分前でレジ締めをしようか、パソコンに売り上げ入力をしようか迷っているときだった。

一人の女が入ってきた。

少しタイトな黒いスカートに胸を強調したジャケットの上に黒いカーディガンを羽織っている。

黒いビジネスバックで髪は肩に掛かるセミロングで毛先は少し色が抜けているがおおむね黒

 

黒女が来店されてから僕は5分くらい放置していた。

手に取るものは黒くシャープなビジネス向きなものを選んでいる。

残業後だろう

 

仕事に命懸けてるキャリアウーマンって程でもない。

そんな仕事ができそうではないと思う。

だってほんとに仕事ができる人は男を惑わすような仕草や香り、色を巧みに使っているから。

真っ黒にはしない。

 

色を使えていないのは損だ。

 

そして、勘違いしないで欲しいのはスタイルは黒ずくめでも細いわけでもなく小太りまではいかないがプニって感じだ。

ふくらはぎもぷるぷるというかパンっ!って張っている。

 

 

入ってきて僕はコイツは催眠術かかりやすそうだなって思った。

僕は少し催眠術かけられるから掛かりやすいのが分かりやすい人くらいは見抜ける。

そういう人は何かフラフラしてる。

酔っぱらってるように体の重心が不安定でどっちの足を支えにしようか常に迷っている感じだ。

そこにドーンって催眠を掛ければすぐトランスにはいるだろうって思う。

だからどうやって一発でぶちこんでやろうかって考えだした。

 

その黒女は商品をとって鏡に向かってあーでもないこーでもないと一人でぶつくさ言ってた。

指をチッチッチとやって迷ってますよアピールが半端ない。

それでも声を掛けない俺もどうかと思うけど、なんか軽く声をかけるのが癪だ。

 

まあそんな女はすぐやれそうだからそこまで興味がないって思った。

華がないから惹かれない。

惹かれないと思いつつも帰らないからどうしようって思ってた。

 

どうにか性の対象にさせようと自分に努力した。

こういう人に販売するのは簡単だ。

でも販売してそれっきりだろうし、そんな接客つまらない。

 

だから一発で催眠掛けてぶっとばしてやろう位な事やらないと面白くない。

もう気持ちは催眠かけるかやれる気持ちを膨らませるかのどっちしか考えていなかった。

 

 

そんな迷う素振りを俺も迷いながら眺めていたら、一人おっさんが入ってきた。

この時間は平日だともうレジ締めだけだから俺一人だった。

 

 

おっさんと口が臭いの我慢してつまらない話聞くのもなんだからなー。

 

こういうときのおっさんは寂しくて店に入るからどうでもいいことを聞いてくる。

店員だと答えないといけないから面倒臭い。

発展してが購入になったり、面白い話が聞ければいいけど。

多いのは早く家に帰ってもなんだか物足りないからブラついてる人は店員と話して

あー今日も人と話した。俺も必要な人間だ。じゃあ飯食って風呂入って寝ようって思っている人なんかと話したくない

 

そんな性処理玩具みたいな事はしたくない。

 

だからしょうもないけどまだ俺のやりたいパワーが充電されてないまま黒女に声をかけた。

思った通りリアクションがでかくベラッベラと話しだした。

 

よく接客業に対して「ついてくる店員がうざい」と言われるがそうじゃない場合もある。

プワーっとなにかが膨れ弾けるように口から言葉がドバドバ放出される人がいる。

店員はそれが嬉しいと思ったらその人も世間も大間違いだ。

 

そういう人ぐらい見抜けている

それは勘違いしたありがた迷惑だから

寂しくて話したいだけの人だから

俺は客だぞって店にズケズケ入って話してもやってると勘違いして

うるさいだけだから

 

店って人んちなのに、家族が構ってくれないからって図々しい人だ。

 

話していたら黒女は奥目だなって思った。

奥目って言葉を最近知ったけど、どんな人かわからなかったけれど、みたら何となくわかった。

頬骨とか目の回りがなんとなく膨らんでいて、目が奥張っている。

堀が深いとは違って立体感を強弱で表されている感じじゃない。

 

何か目を掻き辛そうって感じ。

 

そこそこ話して今日は買わない、ホントは買えない的な事を言っていた。

購入はどっちでもよかった。

 

話が脱線し

 

仕事帰りですか?

土日休みですか?

休みはどうしてるの?

地元はこの辺り、実家暮らしですか?

 

とか聞いた。

 

地元は山形で単身でここに来て知り合いもいなく暇が多い。

休みも土日で知り合いもいないからヒマ

平日も6時上がりの時とかヒマ困ると

 

休みは国際パーリーみたいなところ乗り込んで知り合った人と飲んだりしていると言っていた。

営業の仕事をしていて、事務作業より飛び回る方がすきだから営業に向いてると思う

営業好きって珍しいって言われる。

 

べつに聞いてないことをべらべらと話してきた。

へーふーん頭いいんですね、仕事できるんですね、そんなサクサクやれちゃうなんて

効率考える事出来るからやっぱり頭いいんですよって

 

掘って掘って謙遜をすべて肯定にかえ有頂天にさせていった。

 

 

でも俺は土日休みじゃないからね、接客は土日休めないからって落としたりした

 

でもじゃあ暇なとき飯でも行きますかって言ってみた。

嬉しそうだった。

 

でも体は少し引いていたから警戒があった。

それじゃあ番号教えてよとなってラインのID交換となったけど俺は設定してなかったから

電話番号を直で聞いた。

 

じゃあ誘うねといった。

 

でも11月、12月は少し忙しくなってきた、予定があるといわれた。

 

じゃあ無理だね誘うのやめるわって言った。

 

でもヒマがある時会えるといわれた。

 

知らねーどっちやねん、まあー適当に連絡するわって言って

もう閉店だったから見送った。

 

 

 

こっからどんな目が出るかはわからない。

自力で6に近づけることはできると思う。

でもまず自分のやる気スイッチが入らなければいい目は出ない。

 

 

夜12時くらいに黒女の名前がラインに登録された。

まだ返事も来ないし送ってもいない。

 

来るまで一週間くらい、いや三日くらい待とうかな。

たぶんやりたいって思える人だともっガッツいてよく失敗する。

こういう成功しやすい人は俺がやる気ないからいいんだろう。

 

でもこういう人とやってもつきあえられないのも予想できる。

 

結局サイコロって振って出た目だけが問題でそれ以上に何にもないから

 

 

 

 

振って答えが出て双六で使うならススム

 

賭け事で使うなら賽の目が答え

 

だから振ったらそれで終わり。

 

運がよけりゃ二回振れる。

ずっと振り続けることが付き合うってことではないと思う。

 

とりあえずヒマなら振っとくか程度のサイコロを拾った。